ボケ防止脳トレ想像力小説風メモ 日和ってる奴はだいたい友達③

日和ってる奴はだいたい友達 ③

 

緊張で2人とも無口になり落ち着こうと周りを何となく観察する、、入って左はやや大きめの机がありぼんやりと光る地球儀が浮かんでいる視線を落とすとコーヒーカップと文字が浮かび上がったA4サイズのパネルが何枚も無造作に重ねられており見て欲しいと言わんばかりに2枚ほど僅かに浮いている、その奥は研究室のようなスペースになっているようだ入って右側には6人ほどが座れるテーブルと窓側にはソファが置かれていた。

夏向と陵介は目線で座って待とうと会話したその時バタバタとこちらに向かう足音が聞こえ勢いよくドアが開いた

「お待たせしました!0世界からって本当ですか?」

少し興奮気味に陵介に雰囲気が似た男が近づいてくる

 

びっくりして少し固まった2人だったが名乗りながら握手を求めた

「はい、0世界から来ました裏防衛省の美月 夏向(みづき かなた)です」

「同じく裏防衛省の桜時 陵介(おうじ りょうすけ)です」

 

まだテンションが上がったままの満面の笑みで

「学校保健師の桜時 丞(おうじ たすく)です、いやー0世界の人実在してて嬉しいです、しかも向こうの桜時家の人に会えるなんて」

 

陵介の家もそうだが5世界の桜時家も昔の資料を頼りにリープする装置を作製できないか研究を続けてきたのだ丞は特に熱心に取り組んでいた喜びもひとしおである

「すみません感動しすぎました、何か事情があってこちらに?」

 

すすめられた椅子に座りながら夏向は話し始めた

「はい、5世界にも後々影響があることかもしれないですし緊急に協力をお願いしたくて」

あまり穏やかな話ではない、いま0世界では他世界から侵略をうけている拘束した侵略者から聞き出した情報によるとどうやら第3世界からのようだ拘束した者の中には詳しく事情を知るものはいない、憶測でしかないが資源の枯渇が原因で0世界を征服しようとしているのかもしれない、どちらにしても攻撃的であることは間違いない。

 

「今はまだ追い払えています、でも侵略者は魔法使が使えるようで0世界の人は魔法が使えないですし、このままじゃ丸腰過ぎて魔法の協力は絶対必要と考えて5世界に来たんです」

丞は、うーん…と少し唸った

「けっこう大変な話ですね、魔法は力になれることがあるのかなぁ…一つ言うと5世界の人、戦いに関して弱い気がするんですよね、歴史に戦争がないので」

 

2人は え? という表情になった

〈 そう不思議に思っていた5世界の先祖が残した資料や本のどこにも争いが出てこないのだ 〉

陵介が座り直しながら呟く

「良いことだけど少しびっくりですね」

 

丞がそうだ…と言いながら手のひらを胸の前辺りで指を弾く現れたパネルを操作して2人に視線を戻す

「こちらでは戦いはスポーツやゲームの中だけです、僕も教科書や資料でしか0世界のこと知らないですけど他にも違うのは神社仏閣がないこととか」

 

2人はまた え? という表情になった

夏向は思い出したように

「ここにくるまでに感じてた違和感ってこれだ、当たり前にあると思ってて気がつかなかった」

0世界の京都は神社仏閣だらけで無いわけないと思っていた

 

陵介は不思議でならないという感じだ

「こっちの人って神社必要ないんですか?何でないのかなと思って。。」

 

丞は眉をハの字にして少し考えて

「私的な考えだと、争いの歴史無いじゃないですか?祈らないといけない場面が少ないからとかですかね…難しい…解らないですねー…」

 

これは確かに戦闘が得意な世界ではないようだ理由に争いがないからと言うところなのだから

陵介は答えに困らせたと思い詫びながら夏向の方を見た

夏向も同じことを思っていた、この世界にきた理由、第5世界の協力ともう一つ指名して協力を頼みたい人物が3人こちらの世界にいるはずなのだ

〈 神社仏閣がない世界に彼らはいるんだろうか? 〉