ボケ防止脳トレ想像力小説風メモ 日和ってる奴はだいたい友達②

日和ってる奴はだいたい友達②

 

2人の先祖が残した資料には、この世界の住人は魔法が使えるとあった。歩きながら目にしているのはそんな世界だった誰もいないのに物が不自然に動いていたり浮いている荷物が運ばれていたり人はスケボーのようなものに乗って宙を舞っていた、徒歩ではあまり移動しないのか歩いているのは2人だけだった信号も見当たらない宙を移動している人は接触しそうな距離になると防御陣のようなものが自動で発動するようだ。

 

「へぇあんな風に飛べたらいいね本当に仕組みがわかったら作れないかな」

「こっちの人と話できたら一応そういうことも聞いてみようぜ」

 

2人がさほど驚かずこの世界のことをみていられるのは職場がこういう不思議なことを扱っていることと夏向の家、美月家が能力者の家系で慣れているというのもある

 

「そうだね…あっ陵介あれ0世界の桜香の制服に似てない?」

何人か高校のある方角で宙を舞っている若者がいる

「ほんとだなこっちはニットがチェックなんだな俺らはズボンだったけど」

「こっちで道あってそうだね、陵介なんだか町に違和感を感じてるんだけど何か解る?」

「えー?俺らの世界と町並み変わんないし…わかんねぇ魔法のせいじゃなくてか?」

「何かがないような…まぁ、いいか…」

「あっ!ここはおんなじなんだな桜並木」

 

中高一緒だった2人は通った道を思い出し懐かしくなり微笑んだ、桜並木の道を突き当たると→が消えた門には桜香高校と表札があった。

 

〈 間違いない、でも… 〉

「陵介、資料にあったこと生きてると思う?」

陵介も不安そうに斜め上を何となく見ながらうーん…とかすかに唸った。

 

夏向と陵介の先祖は往来ができなくなる前に0世界に移住している、もちろん0世界から5世界に移住した人もいる交流があった頃の0と5の関係は良かったと考えられる、だからといって今もウェルカムとは限らない資料はこちらにも残されているはずだが果たして0世界の人間に会いたいだろうか?

もし互いの世界に往来ができなくなった場合の話もされてはいて詳しく理由は書かれていなかったが往来ができなくなることが予想されていて遠い未来になるかもしれないが往来できるようになったとき訪問者に驚かぬよう代々伝える約束だったようだ第5世界の桜香高校を創設した桜時家がその役目をしているはずなのだ。

 

「苗字が同じだし陵介の家と関係あるよね」

「たぶんなー、いい人だといいなー緊張すんな、その前に今もここに桜時家いるかな」

〈 っていうかマジそうじゃねぇと詰むな 〉

「心配は尽きないけど覚悟できた?行くよ?」

「覚悟早えぇな、お…おぅ」

夏向が高校の先生らしき人に声をかけた

「私達は0世界から来ました、こちらに桜時さんはいらっしゃいますか?お会いしたいのですが」

拍子抜けするくらいあっさりと驚くこともなく「こちらでお待ちください」と校内の部屋に案内された。