ボケ防止脳トレ想像力小説風メモ 日和ってる奴はだいたい友達 ⑦

日和ってる奴はだいたい友達 ⑦

 

夏向は浮かない顔で

「俺はいまかなり自分をしょぼいなって思ってる、美月家は一応能力者の家系って言われてるけど全然だし今まで別に異能なんて必要ないから気にならなかったけど、いざって時にこんなに役にたたないなんてね」

へ?っていう顔で少年たちは夏向の方を見た

「でも、ないことないんだろ?どういうのだよ」

「あんまり移動できないけど浮ける、あと行ったことある場所と会ったことある人がいる所ならリアルタイム投影できるよ」

夏向はリープした時に着いた広場を空中に投影して見せた

〈〈〈 おおおー 〉〉〉

少年達は拍手した

夏向の表情は浮かないままだ

「ただ音声とか会話ムリだし今街中にたくさんカメラあるから特にいらないかなって」

その横で陵介が更に浮かない顔をしていた

「あー…俺も一応浮ける、あと見てる範囲一瞬だが時間が戻せる、ただ本当に短い、たぶん秒ですらねぇ」

ここからという合図で手をパンと打って時間を戻して見せた

……?????

「え?ごめん陵介、成功したの?」

陵介は申し訳なさそうに頷く

海空が目線を斜めにそらしながら

「わりぃ 解んなかったわ…マジか?俺らと変わんなくね」

「な?」

「え?いま敵とどうやって戦ってるんですか?戦闘機にホウキで立ち向かってる感じに思えるんですけど」

陵介は少々恥ずかしそうにしていたが真顔になり

「その表現であってる、、俺も夏向もこの状況になってからずっと鍛えたりしてるけど、強さの種類が違うし、やっぱそれだけじゃダメで、もがいた結果が5世界行きなんだアドバイスもらって武器作ったりはできねぇかなって」

夏向も頷いた

「かくりよ組の皆がいなきゃ防御もままならない、魔法だとどういう攻撃がくるのかわからないし発出回数と滞在時間が短い間に手を打たないと、ほんとに俺達、リアルに棒持って向かっていってるようなものだから…凄く怖いよ」

〈〈〈 そりゃ怖すぎだろ? 〉〉〉

 

皆が話している間、丞は5世界の防衛機関に連絡を取ったりして情報共有していたが一段落したのか手を止めた

「確かに怖いですね相手が魔法の類いを使用するなら結局ホウキじゃなくて戦闘機対戦闘機であってもダメですよね?魔法との合わせ技でくるだろうしスピード感が違う」

 

本当にそうだな、という少し重い空気が流れていたところに海空が口を開いた

「なぁ、俺は前世の自分に会いに行ってもいいぜ…条件飲んでくれたらな」

優弦はため息をつきながらイスからずり落ちていった

「マジか?海空」

明澄は吹き出し

「行くって言いそうな気はしてたけどね」

夏向と陵介はキョトンとした

「条件?…って何?」

「前世の俺達が強いならアドバイスもらってさ強くなれるかもしれないってことだろ?  したら子供の頃から出場したかったアメージングカップに出たいんだけど、それが5人で1チームなんだ」

 

アメージングカップはこの国の最強を決める大会で知力、体力、気力、魔法を使用したトーナメント方式のバトル、運営委員会が定めた目に見えないシールドを全身に纏い戦闘不可能と感知されると脱落する、30分経った時点で生き残り人数が多いほうのチームが勝ち、中学生以上から出場可能である。

 

3人とも出てみたいと思っていたが魔法が使えない彼らとメンバーになってくれる仲間がいなかったのだ

 

「それに俺達も一緒に出ると…?」

「0世界に行くだけでもハードル高いだろ?それくらいのお願い聞いてくれよ絶対楽しいぜ?」

夏向も陵介も顔を見合わせて了解した

「でも魔法使えないのに負けちゃうんじゃないのか?いや、そのヤバそうな大会で優勝狙いたいって言われんのも困るけどよ」

海空がへらっと笑いながら

「一応、狙っとこうぜ」

優弦と明澄はやれやれとため息を着いた

「そうきたか、まぁアメージングカップに出たいのはわかる俺も行くわ」

「僕も行きます」

2人は条件もなしに良いのかと心配した夏向は

「え?2人はほんとにいいの?」

2人はしょうがないなと笑った

「いいんだ、こうなるだろうって思ってたから、それにそんな簡単なスイッチで超危険なとこ行こうとする奴1人で行かせたらマズイしな」

「僕のほうは陵介さんの手伝いができそうですよ?丞先生のリープの研究ずっと一緒にやってましたから、どちらにしても0世界と5世界を繋いでおいたほうがいいと思うんで、役に立てると思います」