日和ってる奴はだいたい友達 ⑫
朝、リビングにいくと夏向と陵介はもうコーヒーを飲んでいた
「「「おはよー」」」
「おはよう、こっちの世界来てから体おかしいとかない?」
「んあー」
まだ寝起きでダルそうに返事をして海空と優弦は野田がいるキッチンカウンターのほうへ向かった
明澄がしょうがないなと苦笑いする
「起きてすぐ腹が減ったって言ってたくらいだから元気だと思います」
「そう、良かった何かあれば母にすぐみてもらうからね、医者なんだ」
海空が人数分のサラダをのせたトレーをテーブルに運びながら
「そっちこそ大丈夫か?昨日遅かったんじゃないのかよ」
陵介がサラダを受けとる
「あー今日は遅くてもいいって言われたんだけどさ、好奇心に勝てなかったんだよ、な?夏向」
「うつしよ組とかくりよ組の対面は見逃せないでしょ?」
「そっか、今日会えるんだな」
そう言いながらウインナーに目を止めてキッチンに戻る
「やっぱ米も食いたい、野田さんパンとコメ両方食いたいんだけど、いい?」
野田が料理しながら(いいよーおにぎりにしよっか)と答えている
優弦も加わり具は何がいいと話が盛り上がってる
明澄はため息をついた
「ほんとすぐ違うとこに脳ミソ飛ぶんだから…すみません、話進まないですよね」
夏向は吹き出した
「あははっ、明澄くん、かくりよの人達もちょっと自由なとこあるから君たぶん一番常識人だね」
陵介は運ばれてくる料理を並べながら頷く
「うん、昨日の夜もかくりよ組話聞けって怒られてたな夏向のお兄さんにさ」
〈 あれ?ネットで調べたら偉いお坊さんだったと思うけど怒られるの?まぁいっか会うんだし 〉
優弦がホイップクリームを混ぜながら近付いてきた
「パンはクリームとフルーツ挟んで食べようぜ」
夏向がキッチンカウンターに出来上がった料理に気づいて取りに行く、パンのカゴとおにぎりの皿を持ち上げた
「美味しそうだな、野田さん今日のパンはどこの?」
「近くに行く用事があったんで ここん で買ってきました」
「あーいいね、そういえば京都はパン好きが多いって言われててパン屋さん多いんだよ5世界もそうなの?」
優弦がフルーツの盛り合わせを海空から受けとりながら
「意識したことないなー、俺はパンとかスイーツ自分で作ること多いからな、俺らに言わせれば5世界の料理は壊滅的だ」
「昨日の夜食でも思ったんだけど食全般間違いなくこっちの世界のほうが旨いぜ、言い苦しいが5世界は家メシも外メシもあんまりなんだよな、別に母さんのメシが不味いわけじゃねぇよ?でも5世界のメシはどこか魔法臭いって感じるっていうか」
解る!という顔で優弦と明澄が声を合わせた
「「それな!」」
明澄は凄く残念そうな表情で
「辛いのは魔法臭いってことが家族にもわかってもらえないってことだよね、そのせいか僕達料理上手くなってるし、一番覚醒したの優弦だけど」
優弦はドヤ顔だ
陵介はきょとんとして話を聞いていた
「なぁ、魔法って匂いあんのかよ?」
海空は、うーんと言いながら
「匂いっていうか…食べ物全部に少しずつ粉薬が入ってる感じかなぁ」
夏向が思い出したようにこめかみを押さえた
「あの時、陵介むこうのお菓子食べた時 あれっ?て違和感あったのそれかな入れなくていいもん入ってるって感じがする味だった」
サラダにエビをかけながら陵介も思い出していたようだ
「あー解るわ!何だろうこの余計な味って部分な、あれが全部にっつったら地味につれーなぁ」
「こっちに滞在中は俺も陵介も料理するから美味しいもんたくさん食べてね、まずは朝ごはん食べよう」
「「「「「いただきます」」」」」