日和ってる奴はだいたい友達 ⑭

日和ってる奴はだいたい友達 ⑭

 

夏向と陵介はその様子を微笑んで見ていた

「紹介するね、こっちから明澄くん、海空くん、優弦くん、目の前にいる人は、わかってるね…感想はどう?」

 

優弦がまたきょとんとしている

「おい、また部活か?ジャージしかないのかよ?ここは」

「優弦、一番気になるとこそこでいいのか?」

「僕達と変わらない、お坊さんじゃないんですね」

「「しかも、おっさんじゃねぇ」」

 

空海がしれっと答えた

「決めつけんな、あぁでも、昨日までおっさんだったぞ?お前らが高1だから高校2年ってのにしたんだよ俺らは1っこ先輩らしいぞ?」

〈〈〈 ???   〉〉〉

 

陵介がやれやれという顔で腕組みをしている

「あっちから帰ってお前らの動画見せたんだよ、そしたら自分達も高校生やるって聞かないしさ、全く同じにするって言い出して紛らわしいだろそれ?全力で止めてよぉ、おとしどころがこの姿だよ」

 

考え顔で晴明が優弦を見つめている

「アクアマリンの髪と瞳か…なぁやっぱ俺、瑠璃色って地味じゃないか?」

かすかにその言葉が聞こえ凄い勢いで走ってきた男が晴明の肩をつかんだ

「地味じゃないぞ!敵が間違いなく標的にするくらい目立ってるから大丈夫だ!かっこいい!もう何もするな」

「なんだよ天星、頭かってぇーな!お前が色のトーン落とせって言うからだろ」

空海も天星うるさいなという表情だ海空を指差して

「俺なんかこいつは金髪だろトーン落とすと、なんかミルクティーみたいになっちまって、そのオパールみたいな眼はそのままマネしていいかな思ったらムズくってよ、もう天星難しくすんなよ!」

「えええ?俺のせいかよ」

 

ワアワアやってるのを見て最澄がタメ息をついた

少年達に誤りながらジャージにエプロンをして工具を手に持った男を見る

「ごめんね、うるさくて、、なんか影薄いけど悠一郎、自己紹介するんでしょ?」

そう言われてハッとした悠一郎が少年達に近付きニパッと笑った

「夏向の父で裏防衛省の局長をしてます、美月 悠一郎(みづき ゆういちろう)です」

(いけねっ)と天星も続けて挨拶にくる

「どうも、ようこそ0世界へ夏向の兄の美月 天星(みづき てんせい)です」

順番に握手していった

「へぇ、夏向さんとタイプ違うな」

顔つきは美形で共通点はあるが、悠一郎と天星は黒髪に金のメッシュが入っているような髪色で、それだけでずいぶん違う雰囲気にみえる

握手しながら悠一郎が答える

「そうだね、うちは夏向と姉の詩音は母親似だから、あ…きたきた」

夏向と同じ月の光を帯びたような髪を鎖骨のあたりに揺らしながら女性が走ってくる

「お待たせしました、夏向の姉の美月 詩音(みづき しおん)です」

陵介が左頭を抱えながらため息をついた

「知ってる…なんで俺に向かって言うんだよ!勘弁しろよ、あっちだろ!」

「あ、ごめん、陵介が好きすぎた、つい」

そう言って少年達に向き直った

〈 ほんと職場でやめて 〉

その場にいる皆は日常のようで夏向が謝る

「ごめんね、うちの姉が…陵介にずっと片思いしてるもんだから」

苦笑いしながら頷き、少々あきれながら握手を交わした

 

海空がちょっと驚いた表情だ

「ってか、クオリティたっか!美月家えぐいんだが?、光量ぱねぇな、顔面の威力すげっ」

「なー、ジャージでここまで輝けんだな、着るもん関係ねえ、まやかしじゃねぇわ」

「顔面が宇宙で戦えるレベルですね」

夏向が両手をブンブンふった

「う、うちなんて、まぁまぁだから、っていうか君達のほうが凄くかっこいいのに、よしてよ」