日和ってる奴はだいたい友達 ⑨

日和ってる奴はだいたい友達 ⑨

 

- 夏向と陵介は再び学校に戻る -

ドアを開けるなり、丞と少年達が「待ってた」と言ったリープする時に持てる荷物の制限があるか解らなかったからだ、5世界では様々なものを作動させるエネルギーとしても記憶させたりするのにも石を使う、命令した際のスイッチでもある、石は重要なアイテムなのだ最小限にするなら種類が限られてくる

 

丞と明澄が腕組みして石を見つめる

「なるべく多くの種類少しづつ持ってく?」

「そうですね、あっ陵介さんリープブレスにストーンって使いました?」

「ああ、最後やけくそになってな、昔の資料に書いてある意味は解んなかったけど夏向のとこのサファイアアメジスト使ったら動いた」

 

夏向と陵介の家の地下には5世界の先祖の時代から守ってきた石がたくさんある、石の使い道が解らないので不思議に思っていたが、2人はなぜ守っているのか今、解った気がした先祖にとっては様々なことに使用できる大切な石だったのだ

 

「あーやっぱり、夏向さんと陵介さんが到着した広場の石像があるところはアンテナになってて大きめのリンクサファイアとリープアメジストがあるんですよ引き合ったってことかなと思ってて」

陵介は自分でリープブレスを作っておいて何の役に立つかわからなかった石で動いてることに驚いていた

明澄は気づいてなかったのかなと思いながら続けた

「2人が着けて作動してるなら、0世界の魔法が使えない人も使用できるアイテム作れそうですよ?  やっぱりこっちの石も少しづつ持っていきましょう」

 

解ったと陵介も荷造りしていると海空と優弦が準備に疲れてお菓子をつまんでいるのが視界の横に入った

「すぐだからお菓子とか持っていくなよ?安全優先だ身軽に頼むぜ?」

優弦が納得いかないという表情で指を指した

「それ、一番いらない、な?海空」

「ぜってぇいらねーだろ、構造は明澄が知ってるし」

陵介は空を飛ぶボードを持っていこうとしていた、よく見れば陵介が一番かさばりそうなものばかり手に持っている、こちらの珍しい物を持っていきたいのだ

そう言えばそうだなと笑いながらちょっと休憩とお菓子を一緒に食べ始めた、3種類ほどのお菓子を1口づつ食べて、うん?という顔になった

「1つ期待しとけ、菓子は絶対あっちのほうがうまいぜ」

「マジか!そういや食いもん楽しみだなー、何から食うよ?優弦」

「手元にガイドブックがないのが悔しいな、オススメがわかんねぇよ」

陵介はどんと胸をたたいた

「まかせとけ!ガイドブックにのってない旨い店もいっぱい知ってるぜ」

「「おお~」」

盛り上がってるとこ悪いけど、と夏向が陵介の肩をたたいた

「どうしてそんなに緊張感ないの?ワンパン入れたほうがいい?」

陵介は(ごめんごめん)と言いながらお菓子を差し出した

夏向はハァーとため息をつきながら

お菓子の袋に手をツッコミポリポリと食べた

〈 食べるんかい 〉

明澄と丞も頂戴と手をのばしながら笑った

夏向がお菓子を噛むのを(あれ?不味くはないんだけど)と言って止めた

「陵介が言った通り期待していいよ、0世界のほうが美味しいと思う」

 

食べ物が楽しみだと観光気分で盛り上がってる少年達

夏向も陵介もそれでいいと思っていた

楽しい思いだけして戻ってもらうのがベストなのだ。