日和ってる奴はだいたい友達 ⑨

日和ってる奴はだいたい友達 ⑨

 

- 夏向と陵介は再び学校に戻る -

ドアを開けるなり、丞と少年達が「待ってた」と言ったリープする時に持てる荷物の制限があるか解らなかったからだ、5世界では様々なものを作動させるエネルギーとしても記憶させたりするのにも石を使う、命令した際のスイッチでもある、石は重要なアイテムなのだ最小限にするなら種類が限られてくる

 

丞と明澄が腕組みして石を見つめる

「なるべく多くの種類少しづつ持ってく?」

「そうですね、あっ陵介さんリープブレスにストーンって使いました?」

「ああ、最後やけくそになってな、昔の資料に書いてある意味は解んなかったけど夏向のとこのサファイアアメジスト使ったら動いた」

 

夏向と陵介の家の地下には5世界の先祖の時代から守ってきた石がたくさんある、石の使い道が解らないので不思議に思っていたが、2人はなぜ守っているのか今、解った気がした先祖にとっては様々なことに使用できる大切な石だったのだ

 

「あーやっぱり、夏向さんと陵介さんが到着した広場の石像があるところはアンテナになってて大きめのリンクサファイアとリープアメジストがあるんですよ引き合ったってことかなと思ってて」

陵介は自分でリープブレスを作っておいて何の役に立つかわからなかった石で動いてることに驚いていた

明澄は気づいてなかったのかなと思いながら続けた

「2人が着けて作動してるなら、0世界の魔法が使えない人も使用できるアイテム作れそうですよ?  やっぱりこっちの石も少しづつ持っていきましょう」

 

解ったと陵介も荷造りしていると海空と優弦が準備に疲れてお菓子をつまんでいるのが視界の横に入った

「すぐだからお菓子とか持っていくなよ?安全優先だ身軽に頼むぜ?」

優弦が納得いかないという表情で指を指した

「それ、一番いらない、な?海空」

「ぜってぇいらねーだろ、構造は明澄が知ってるし」

陵介は空を飛ぶボードを持っていこうとしていた、よく見れば陵介が一番かさばりそうなものばかり手に持っている、こちらの珍しい物を持っていきたいのだ

そう言えばそうだなと笑いながらちょっと休憩とお菓子を一緒に食べ始めた、3種類ほどのお菓子を1口づつ食べて、うん?という顔になった

「1つ期待しとけ、菓子は絶対あっちのほうがうまいぜ」

「マジか!そういや食いもん楽しみだなー、何から食うよ?優弦」

「手元にガイドブックがないのが悔しいな、オススメがわかんねぇよ」

陵介はどんと胸をたたいた

「まかせとけ!ガイドブックにのってない旨い店もいっぱい知ってるぜ」

「「おお~」」

盛り上がってるとこ悪いけど、と夏向が陵介の肩をたたいた

「どうしてそんなに緊張感ないの?ワンパン入れたほうがいい?」

陵介は(ごめんごめん)と言いながらお菓子を差し出した

夏向はハァーとため息をつきながら

お菓子の袋に手をツッコミポリポリと食べた

〈 食べるんかい 〉

明澄と丞も頂戴と手をのばしながら笑った

夏向がお菓子を噛むのを(あれ?不味くはないんだけど)と言って止めた

「陵介が言った通り期待していいよ、0世界のほうが美味しいと思う」

 

食べ物が楽しみだと観光気分で盛り上がってる少年達

夏向も陵介もそれでいいと思っていた

楽しい思いだけして戻ってもらうのがベストなのだ。

 

 

 

 

 

ボケ防止脳トレ想像力小説風メモ 日和ってる奴はだいたい友達 ⑧

日和ってる奴はだいたい友達 ⑧

 

5人は決まりだなと顔を見合わせる

「父さん、聞いてたか?」

少年達が親指にはめているリングが光り光の雫が空中で縦横20センチくらいのパネルになり2人の男性の顔が映し出された

「うん、了解したよ」

返事をしたのは海空の父だ、横を見て一緒に映し出された優弦の父に返事を促した

「優弦、お前の好きにしていい」

明澄のパネルは母親が映し出されていた

「うちもよ、貴方が決めてかまわない」

夏向と陵介は少々引きぎみでその様子を見ていた、相当揉めると思っていた最難関の親の説得がこうもあっさりしたものかと

丞が驚いている2人に声をかける

「学校では親の承諾が必要と思う話は先生か生徒どちらかが通信をつなぐようになってるんですよ」

 

2人ははっとして、急いで姿勢を正し自己紹介した

夏向はパネルに近付く

「あの、よろしいのですか?もっと考えて頂いてもリープも危ないですし滞在が長くなる場合もあります、もちろん許可もらえたのは嬉しいんですけど…」

明澄の母親が複雑な気持ちを感じて、にっこりと笑った

「行くって言ったなら大丈夫ってことなんですよ、3人は幼馴染みでずっとみてますけど心配ないですよ3人一緒なら特にね」

海空の父も笑顔で頷いた

「あの子達、信じて大丈夫だよ貴方達も何か迷ったら彼らが示すほうに行くといい」

優弦の父は斜め上を見ながら頭をかいている

「ただ死にはしないってだけで途中痛い思いする場合はあるから宜しくね」

 

「「??…は、はい…」」

夏向と陵介は意味はわからないけどと顔を見合わせながら返事をした

 

その後ろで、丞と少年達は研究室のほうで何やら話している、そこを抜けて優弦が2人に駆け寄った

「ゼロ行くの状況わかんねぇし、早いほうがいいだろ?今準備するから挨拶と観光兼ねて俺らん家にリュック取りに行ってくれよ、先生と明澄が一応こっちの石も持ってけって、家こっから5分だから」

 

丞が案内プレートを出してくれた、2人はこの展開に少し着いていけていなかった落ち着かせることができるこの短い散歩はありがたかった呼吸を整えながら大通りから1本入った閑静な住宅街、優弦の家は父が院長をしているクリニック(土御門クリニック)と併設している、その隣が海空の家だ父は土御門クリニックで医師として働いている、2人の家の目の前が明澄の父が経営しているスポーツジムがあるジムの一番上のフロアが住居になっていた、夏向と陵介が到着するとクリニックの前に少年達の両親が集まってきた、海空の母はモデルをしており仕事で不在であった。

 

両親達を前に2人は承諾のお礼とともに再度説明をした

「もし彼らが5世界に帰りたいと言った場合も装置の具合によって1週間くらいはかかると思ってください、もし滞在が長引いた場合、通信可能になっても危険がないと判断できるまで丞先生にだけ繋ぐつもりですので暫く話はできません」

2人は頭を90度に下げた

 

「装置や通信は明澄くんいるからすぐじゃない?」

海空と優弦の父は頷きながら明澄の両親に笑いかけた

「そうだといいんだけど、あ、得意なのは本当だから手伝わせてやってね」

 

両親達に笑いかけられて夏向と陵介は声になるかならないかの返事をした、もちろんですと…この居心地のいい場所から連れ出さないことが本当は一番いいのに俺達自身が敵なんて怖くて仕方ないのに2人に罪悪感が襲ってくる

「あの…いつでも帰るって言いやすい雰囲気作りますから、あと滞在中は俺達全力で守りますので」

夏向はそんな言葉しか出てこない自分に少しうつ向いた

 

少年達の両親はきょとんとして顔を見合わせた、海空の父が大丈夫と言って言葉を続けた

「うん、ありがとうね、3人のこと宜しくね」

 

 

★★★ボケ防止になるかわかんないけど

セロトニンは増加してる気がする、現実ばかりだと思考がマジ止まる動かしたい

自分でストーリー勝手に考えるのって酷いことが起こらないから安心、楽しいしな

楽しいからメモってるんだけども

特にね、CVを内山昂輝さん梶裕貴さん斉藤壮馬さん松岡禎丞さん内田雄馬さん

小野賢章さん宮野真守さん仲村宗悟さん村瀬歩さん沢城みゆきさん早見沙織さん

で想像とかするとゾーンにでも入ったんじゃね?くらい2次元に入れる

声ってすごいな!尊敬するわ 目の前いるみたいにキャラと話せるし

うわ、引くなこれやばい奴だ私 まぁええか迷惑かけんで楽しんでる分には

どうせ前から痛い奴なのだから今更やなw

 

 

 

 

ボケ防止脳トレ想像力小説風メモ 日和ってる奴はだいたい友達 ⑦

日和ってる奴はだいたい友達 ⑦

 

夏向は浮かない顔で

「俺はいまかなり自分をしょぼいなって思ってる、美月家は一応能力者の家系って言われてるけど全然だし今まで別に異能なんて必要ないから気にならなかったけど、いざって時にこんなに役にたたないなんてね」

へ?っていう顔で少年たちは夏向の方を見た

「でも、ないことないんだろ?どういうのだよ」

「あんまり移動できないけど浮ける、あと行ったことある場所と会ったことある人がいる所ならリアルタイム投影できるよ」

夏向はリープした時に着いた広場を空中に投影して見せた

〈〈〈 おおおー 〉〉〉

少年達は拍手した

夏向の表情は浮かないままだ

「ただ音声とか会話ムリだし今街中にたくさんカメラあるから特にいらないかなって」

その横で陵介が更に浮かない顔をしていた

「あー…俺も一応浮ける、あと見てる範囲一瞬だが時間が戻せる、ただ本当に短い、たぶん秒ですらねぇ」

ここからという合図で手をパンと打って時間を戻して見せた

……?????

「え?ごめん陵介、成功したの?」

陵介は申し訳なさそうに頷く

海空が目線を斜めにそらしながら

「わりぃ 解んなかったわ…マジか?俺らと変わんなくね」

「な?」

「え?いま敵とどうやって戦ってるんですか?戦闘機にホウキで立ち向かってる感じに思えるんですけど」

陵介は少々恥ずかしそうにしていたが真顔になり

「その表現であってる、、俺も夏向もこの状況になってからずっと鍛えたりしてるけど、強さの種類が違うし、やっぱそれだけじゃダメで、もがいた結果が5世界行きなんだアドバイスもらって武器作ったりはできねぇかなって」

夏向も頷いた

「かくりよ組の皆がいなきゃ防御もままならない、魔法だとどういう攻撃がくるのかわからないし発出回数と滞在時間が短い間に手を打たないと、ほんとに俺達、リアルに棒持って向かっていってるようなものだから…凄く怖いよ」

〈〈〈 そりゃ怖すぎだろ? 〉〉〉

 

皆が話している間、丞は5世界の防衛機関に連絡を取ったりして情報共有していたが一段落したのか手を止めた

「確かに怖いですね相手が魔法の類いを使用するなら結局ホウキじゃなくて戦闘機対戦闘機であってもダメですよね?魔法との合わせ技でくるだろうしスピード感が違う」

 

本当にそうだな、という少し重い空気が流れていたところに海空が口を開いた

「なぁ、俺は前世の自分に会いに行ってもいいぜ…条件飲んでくれたらな」

優弦はため息をつきながらイスからずり落ちていった

「マジか?海空」

明澄は吹き出し

「行くって言いそうな気はしてたけどね」

夏向と陵介はキョトンとした

「条件?…って何?」

「前世の俺達が強いならアドバイスもらってさ強くなれるかもしれないってことだろ?  したら子供の頃から出場したかったアメージングカップに出たいんだけど、それが5人で1チームなんだ」

 

アメージングカップはこの国の最強を決める大会で知力、体力、気力、魔法を使用したトーナメント方式のバトル、運営委員会が定めた目に見えないシールドを全身に纏い戦闘不可能と感知されると脱落する、30分経った時点で生き残り人数が多いほうのチームが勝ち、中学生以上から出場可能である。

 

3人とも出てみたいと思っていたが魔法が使えない彼らとメンバーになってくれる仲間がいなかったのだ

 

「それに俺達も一緒に出ると…?」

「0世界に行くだけでもハードル高いだろ?それくらいのお願い聞いてくれよ絶対楽しいぜ?」

夏向も陵介も顔を見合わせて了解した

「でも魔法使えないのに負けちゃうんじゃないのか?いや、そのヤバそうな大会で優勝狙いたいって言われんのも困るけどよ」

海空がへらっと笑いながら

「一応、狙っとこうぜ」

優弦と明澄はやれやれとため息を着いた

「そうきたか、まぁアメージングカップに出たいのはわかる俺も行くわ」

「僕も行きます」

2人は条件もなしに良いのかと心配した夏向は

「え?2人はほんとにいいの?」

2人はしょうがないなと笑った

「いいんだ、こうなるだろうって思ってたから、それにそんな簡単なスイッチで超危険なとこ行こうとする奴1人で行かせたらマズイしな」

「僕のほうは陵介さんの手伝いができそうですよ?丞先生のリープの研究ずっと一緒にやってましたから、どちらにしても0世界と5世界を繋いでおいたほうがいいと思うんで、役に立てると思います」

 

 

 

 

 

 

 

ボケ防止脳トレ想像力小説風メモ 日和ってる奴はだいたい友達 ⑥

日和ってる奴はだいたい友達 ⑥

 

丞が情報を少年達に共有してくれていたので話は早かった

いま0世界で起きていること、空海、晴明、最澄が具現化可能な状態で存在していること死んでいる身では力にも限界があり現在の自分達と相談できないかと言っていることを説明した

優弦が眉を寄せて

「あのさ、過去の俺達、成仏してないんじゃないよな?」

 

夏向と陵介はかくりよの皆を思い出して吹き出し

「あはっ、ごめんそんなタイプの人達じゃないもんだから」

笑ったことを詫びながら続ける

「やり足りないことはいっぱいありそうだけど未練で出てきた幽霊感はまったくないよ」

〈 下手に生きてる人間より生き生きしてるくらいだ 〉

 

防衛省は死後の人間と関わることが多いが永い年月が経つと意志疎通は困難なことが多く空海、晴明、最澄のような状態は珍しい

 

明澄はふーんと斜め上を眺めながら

「かくりよ組?の人達が侵略者追い払えてるってことは何らかの能力者ですよね?」

夏向も陵介も軽い返事をしながら頷く

優弦が、あれっという動作で

「丞先生、俺達の能力のことは言ったのか?」

「いやまだだよ、直接のほうがいいと思ってたから」

 

優弦が夏向達のほうに向き直る

「これってあわよくば敵を止める手伝いをしてほしい的な話だろ?魔法の力を期待してるなら俺達ほとんど使えないよ?」

 

5世界の人達はすべての人が魔法を使えると思っていた2人は少しの間呆然とした

 

海空が呟きながら何か探す

〈 0じゃないんだけど、んー優弦さっきのお菓子の箱貸してくれ 〉

見ててと言いながらお菓子の箱をテーブルに立てた、箱に向かって右手を出すと一瞬光って箱が倒れた、その箱を明澄が顔の横に上げた右手に吸い寄せて見せた

海空の後ろからお菓子を優弦に戻しながら明澄が

「あの…精一杯がこれくらいと思ってくれれば解りやすいと思います」

 

優弦が頬杖をつく

「あと…俺達、飛べるくらいだよな、連れていくならストーン使いのほうが絶対いいよ」

 

この世界の人間は得意な魔法を最大限に引き出すことに石を使う、小さい頃に専門家に相性の良い石を選んでもらい石に力を込めてより強い魔法を発動させる、キーホルダー、ネックレス、杖、いろいろタイプがあるが別にそのままでもいい、もともと商品として売られているものもあるが魔法を使えない人間が使用する場合、力の増強はなくそれ以上もそれ以下もなく普通に使用できるだけだ

 

丞がちなみに僕はと言いながら石を取り出す

「桜石です、僕はヒーリング系の魔法が得意ですね あ、あとあんまり使わないですけど防御陣とか見ますか」

最初は石を持たずに陣を出した それは手のひらサイズの小さなものだった陣を出したまま石を手にすると石が暖色系にふんわりと光り、すると全身が隠せるほどの大きさになった

「力の増し方は人それぞれです、僕も強いほうじゃありません、まぁこの世界は魔法なしでも生きていけますから強弱は問題ないですけどね」

 

「でもガキの頃は俺ってしょぼいなって本気で悩んだぜ」

海空がため息まじりに言った

〈〈 ほんとそれな 〉〉

優弦と明澄も深く頷く

 

 

 

 

 

ボケ防止脳トレ想像力小説風メモ 日和ってる奴はだいたい友達 ⑤

日和ってる奴はだいたい友達 ⑤

 

待っている間、5世界の人にとっては嬉しくもない話をするのだからと不安な気持ちだったが、生まれ変わりの3人に会うのは楽しみで仕方なかった裏防衛省の中で彼らの呼び分けを¨うつしよ組¨と¨かくりよ組¨としていたのだが、かくりよ組の3人は最初から現代にいましたけど?と言わんばかりの順応性で、その3人の生まれ変わりはどんな人なのかとても興味があった。

いろんな考えを巡らせていると学生のざわついた声が聞こえてきた

丞が魔法でコーヒーを入れて2人の前に置いた

「ふふっ あの声は来たようですね」

ドアがノックされた、丞は魔法ではなく手でドアを開けた

「どうぞ、入ってください」

 

背の高い少年が3人、テーブルを挟んで夏向と陵介の前に横並びに立った

「っす」

「…す」

「失礼します」

3人とも怪しい奴が来たという顔つきだ

 

少年達を見て陵介はやっぱりと思っていた

〈 俺ってどこに行っても地味なんだなー 〉

0世界は昔、他世界と往来があったため色々な血が混じっている、様々な色の髪や瞳の人がいる陵介はあまり変色がないタイプであるし、職場では光を帯びて銀色に輝く髪、ラブラドライトのような瞳を持つ夏向を含む美月一族が見目麗しい、そしてこの5世界の綺麗な色彩で目の前に立つ少年達もそれぞれタイプの違うイケメンである、そんなときやはり自分の地味さが気になってしまうのだ

 

陵介はそんなことはさておきと何か言おうとした時、この中では一番真面目そうな生徒が嬉しそうに

「0世界って本当にあるんですね、ちょっと感動してます」

 

会えたことに嬉しくて少し固まっていた夏向が挨拶した

「突然ですみません、0世界の裏防衛省から来ました 美月 夏向です」

陵介の方をみる

「あっ、同じく 桜時 陵介です」

 

トッポくわえてた、生徒がへぇという顔で

「王子じゃない方が王子なんだね」

 

〈 くっ トッポ砕くぞ このやろっ 〉

 

「優弦、素直すぎじゃね?」

「いや、2人とも失礼でしょ てか優弦お菓子しまいなよ」

 

何やら悔しそうな陵介を夏向が心配そうにみている

陵介は苦笑いしながら

「座って話そうか、ちょっと聞いてもらいたいことがあるんだ」

 

椅子に向かいながら先頭の少年が2人を見て

「僕、日吉 明澄 (ひよし あすむ)です」

軽く会釈しながら2人も名乗った

「俺、伏見 海空 (ふしみ かいあ)」

「土御門 優弦 (つちみかど ゆづる)」

座りながら海空が陵介を見て丞に話しかけた

「ってことは先生、他世界へ行ける装置完成したのか?なんか親戚よんでるしな」

 

丞は笑って首をふった

「先越されちゃったよ、0世界で完成してたみたいなんだ、製作した人に会ってみたいな」

 

陵介が手を上げた

「ここにいます」

夏向を除いた皆が え? って表情になった

〈 何でそんな意外だって顔なの?会ったばっかでどいつもこいつも失礼なんだが?〉

 

丞が驚きながら

「そうでしたか、すごいですね後で話を聞かせてください」

 

ちょっとドヤ顔の陵介を横目に夏向が

「そうなんですよ、彼は凄くいいかげんですがそういう才能があるんです」

〈 いや言い方な…なんでディスったの?〉

 

装置の話が出たならばと夏向は少年達に左手首に巻いているブレスレットを見せた

「他世界にリープするリープブレスっていう装置ね、まだ量産できてなくて持ってこれたのはあと3つなんだ」

 

陵介がリュックからブレスレットを3つ取り出してテーブルに置いた

夏向は丞が入れてくれていたコーヒーを1口飲んで言葉を続ける

「丞先生から君達に概要はいってるみたいだけど、君達の前世、かくりよ組に会ってほしいと思ってここに来たんだ」

 

 

 

 

 

ボケ防止脳トレ想像力小説風メモ 日和ってる奴はだいたい友達 ④

日和ってる奴はだいたい友達 ④

 

0世界の90%の人が魔法のような異能力はない、美月家は能力者の家系で裏防衛省(超常現象など)を代々担当している、0世界に移住した先祖は5世界の人間だ魔法が使用できたため担当になったのだろう

 

その裏防衛省は京都にある、もともと不可思議なことの多い地で関係あるか解らないが、最初に侵略者が発出したのは京都で1年ほど前、歴史上の人物、空海最澄、晴明のゆかりの地に現れた 原因不明だが、おそらく彼らが張った結界が破られた衝撃で3人のエネルギー体が目覚め具現化可能な状態で今現在3人は存在している、侵略者の異変に気付き調査していた裏防衛省接触し協力してくれている

 

ただ敵も強くなり発出回数が増え短かった滞在時間が長くなり始めた、彼らの結界と裏防衛省の人間で追い払うのが難しくなってきている、そんなとき晴明が頭の中に言葉が浮かんだと言い それがこの5世界の自分達の生まれ変わりの居場所だ、3人は会えるなら生きてる自分達にエネルギーをのせたほうがより強くなる効果があると考えている。

 

PCの0世界の京都の地図を見せながら夏向は現状を説明した

「ここにきたもう一つの目的は空海最澄、晴明の生まれ変わりを探すことです、おそらく、この高校にいると思っています」

丞が少し動揺した…

陵介は生まれ変わりとか言い出して動揺しているのだろうか?と思い

「急にこんな話すみません、生まれ変わりなんてどう探せば良いのか、、俺達さっぱりで魔法で探せればいいんですけどねー」

 

丞はまだ動揺しているのか視線を少し泳がせている

「結界…僕達の防御魔法と同じかな…?その3人は能力者で現在の自分達も能力者だと思ってるってことですよね?」

 

〈〈 ?   〉〉

「まぁ、、たぶん思ってるでしょうね」

 

う、うーん…と言って腕組みしてテーブルに半分座ってどこでもないところを見つめた

決めたという顔で2人の方を向いた

「いますよ、この高校に3人とも…伏見くん、日吉くん、土御門くんがそうです。」

幼馴染み3人組ですよと笑った

 

この世界の人間は前世を知っているという人が多くいる、記憶を少しだけ残していたりはっきり覚えていたり様々だが母親がお腹にいるときに既に解っていることが多い

 

〈〈 え? 〉〉

陵介が信じられないという表情で

「だって前世とかの…えーと何て言えば…」

 

「こちらの人間は前世を知ってる人が殆どです、学校に入学する時も任意ですが記入してもらってます進路指導の参考になったりするので」

 

2人ともあまりにもあっさりと見つかったことに驚いている

「「そうなんですか…」」

 

丞は目の前に浮かんだ半透明のスマホサイズのものに向かってどこかに連絡している

〈 部活もう終わってます?そうですか、では来るように言ってください 〉

通話を終えると笑顔でこちらを向き

「ここに来るように頼みました、呼び出し理由の概要は彼らにも送ってあります」

 

 

 

 

 

 

ボケ防止脳トレ想像力小説風メモ 日和ってる奴はだいたい友達③

日和ってる奴はだいたい友達 ③

 

緊張で2人とも無口になり落ち着こうと周りを何となく観察する、、入って左はやや大きめの机がありぼんやりと光る地球儀が浮かんでいる視線を落とすとコーヒーカップと文字が浮かび上がったA4サイズのパネルが何枚も無造作に重ねられており見て欲しいと言わんばかりに2枚ほど僅かに浮いている、その奥は研究室のようなスペースになっているようだ入って右側には6人ほどが座れるテーブルと窓側にはソファが置かれていた。

夏向と陵介は目線で座って待とうと会話したその時バタバタとこちらに向かう足音が聞こえ勢いよくドアが開いた

「お待たせしました!0世界からって本当ですか?」

少し興奮気味に陵介に雰囲気が似た男が近づいてくる

 

びっくりして少し固まった2人だったが名乗りながら握手を求めた

「はい、0世界から来ました裏防衛省の美月 夏向(みづき かなた)です」

「同じく裏防衛省の桜時 陵介(おうじ りょうすけ)です」

 

まだテンションが上がったままの満面の笑みで

「学校保健師の桜時 丞(おうじ たすく)です、いやー0世界の人実在してて嬉しいです、しかも向こうの桜時家の人に会えるなんて」

 

陵介の家もそうだが5世界の桜時家も昔の資料を頼りにリープする装置を作製できないか研究を続けてきたのだ丞は特に熱心に取り組んでいた喜びもひとしおである

「すみません感動しすぎました、何か事情があってこちらに?」

 

すすめられた椅子に座りながら夏向は話し始めた

「はい、5世界にも後々影響があることかもしれないですし緊急に協力をお願いしたくて」

あまり穏やかな話ではない、いま0世界では他世界から侵略をうけている拘束した侵略者から聞き出した情報によるとどうやら第3世界からのようだ拘束した者の中には詳しく事情を知るものはいない、憶測でしかないが資源の枯渇が原因で0世界を征服しようとしているのかもしれない、どちらにしても攻撃的であることは間違いない。

 

「今はまだ追い払えています、でも侵略者は魔法使が使えるようで0世界の人は魔法が使えないですし、このままじゃ丸腰過ぎて魔法の協力は絶対必要と考えて5世界に来たんです」

丞は、うーん…と少し唸った

「けっこう大変な話ですね、魔法は力になれることがあるのかなぁ…一つ言うと5世界の人、戦いに関して弱い気がするんですよね、歴史に戦争がないので」

 

2人は え? という表情になった

〈 そう不思議に思っていた5世界の先祖が残した資料や本のどこにも争いが出てこないのだ 〉

陵介が座り直しながら呟く

「良いことだけど少しびっくりですね」

 

丞がそうだ…と言いながら手のひらを胸の前辺りで指を弾く現れたパネルを操作して2人に視線を戻す

「こちらでは戦いはスポーツやゲームの中だけです、僕も教科書や資料でしか0世界のこと知らないですけど他にも違うのは神社仏閣がないこととか」

 

2人はまた え? という表情になった

夏向は思い出したように

「ここにくるまでに感じてた違和感ってこれだ、当たり前にあると思ってて気がつかなかった」

0世界の京都は神社仏閣だらけで無いわけないと思っていた

 

陵介は不思議でならないという感じだ

「こっちの人って神社必要ないんですか?何でないのかなと思って。。」

 

丞は眉をハの字にして少し考えて

「私的な考えだと、争いの歴史無いじゃないですか?祈らないといけない場面が少ないからとかですかね…難しい…解らないですねー…」

 

これは確かに戦闘が得意な世界ではないようだ理由に争いがないからと言うところなのだから

陵介は答えに困らせたと思い詫びながら夏向の方を見た

夏向も同じことを思っていた、この世界にきた理由、第5世界の協力ともう一つ指名して協力を頼みたい人物が3人こちらの世界にいるはずなのだ

〈 神社仏閣がない世界に彼らはいるんだろうか? 〉