日和ってる奴はだいたい友達 ⑭

日和ってる奴はだいたい友達 ⑭

 

夏向と陵介はその様子を微笑んで見ていた

「紹介するね、こっちから明澄くん、海空くん、優弦くん、目の前にいる人は、わかってるね…感想はどう?」

 

優弦がまたきょとんとしている

「おい、また部活か?ジャージしかないのかよ?ここは」

「優弦、一番気になるとこそこでいいのか?」

「僕達と変わらない、お坊さんじゃないんですね」

「「しかも、おっさんじゃねぇ」」

 

空海がしれっと答えた

「決めつけんな、あぁでも、昨日までおっさんだったぞ?お前らが高1だから高校2年ってのにしたんだよ俺らは1っこ先輩らしいぞ?」

〈〈〈 ???   〉〉〉

 

陵介がやれやれという顔で腕組みをしている

「あっちから帰ってお前らの動画見せたんだよ、そしたら自分達も高校生やるって聞かないしさ、全く同じにするって言い出して紛らわしいだろそれ?全力で止めてよぉ、おとしどころがこの姿だよ」

 

考え顔で晴明が優弦を見つめている

「アクアマリンの髪と瞳か…なぁやっぱ俺、瑠璃色って地味じゃないか?」

かすかにその言葉が聞こえ凄い勢いで走ってきた男が晴明の肩をつかんだ

「地味じゃないぞ!敵が間違いなく標的にするくらい目立ってるから大丈夫だ!かっこいい!もう何もするな」

「なんだよ天星、頭かってぇーな!お前が色のトーン落とせって言うからだろ」

空海も天星うるさいなという表情だ海空を指差して

「俺なんかこいつは金髪だろトーン落とすと、なんかミルクティーみたいになっちまって、そのオパールみたいな眼はそのままマネしていいかな思ったらムズくってよ、もう天星難しくすんなよ!」

「えええ?俺のせいかよ」

 

ワアワアやってるのを見て最澄がタメ息をついた

少年達に誤りながらジャージにエプロンをして工具を手に持った男を見る

「ごめんね、うるさくて、、なんか影薄いけど悠一郎、自己紹介するんでしょ?」

そう言われてハッとした悠一郎が少年達に近付きニパッと笑った

「夏向の父で裏防衛省の局長をしてます、美月 悠一郎(みづき ゆういちろう)です」

(いけねっ)と天星も続けて挨拶にくる

「どうも、ようこそ0世界へ夏向の兄の美月 天星(みづき てんせい)です」

順番に握手していった

「へぇ、夏向さんとタイプ違うな」

顔つきは美形で共通点はあるが、悠一郎と天星は黒髪に金のメッシュが入っているような髪色で、それだけでずいぶん違う雰囲気にみえる

握手しながら悠一郎が答える

「そうだね、うちは夏向と姉の詩音は母親似だから、あ…きたきた」

夏向と同じ月の光を帯びたような髪を鎖骨のあたりに揺らしながら女性が走ってくる

「お待たせしました、夏向の姉の美月 詩音(みづき しおん)です」

陵介が左頭を抱えながらため息をついた

「知ってる…なんで俺に向かって言うんだよ!勘弁しろよ、あっちだろ!」

「あ、ごめん、陵介が好きすぎた、つい」

そう言って少年達に向き直った

〈 ほんと職場でやめて 〉

その場にいる皆は日常のようで夏向が謝る

「ごめんね、うちの姉が…陵介にずっと片思いしてるもんだから」

苦笑いしながら頷き、少々あきれながら握手を交わした

 

海空がちょっと驚いた表情だ

「ってか、クオリティたっか!美月家えぐいんだが?、光量ぱねぇな、顔面の威力すげっ」

「なー、ジャージでここまで輝けんだな、着るもん関係ねえ、まやかしじゃねぇわ」

「顔面が宇宙で戦えるレベルですね」

夏向が両手をブンブンふった

「う、うちなんて、まぁまぁだから、っていうか君達のほうが凄くかっこいいのに、よしてよ」

 

 

 

 

 

日和ってる奴はだいたい友達 ⑬

日和ってる奴はだいたい友達 ⑬

 

朝ごはんのあと腹ごなしに散歩をしてから5人は裏防衛省に向かった、もともとは美月家が所有する屋敷を改造した裏防衛省の外観は美月家の旧館側に似たレトロな洋館だった入口を入ると建物中央までの広い通路がある、中に入ると現代風の内装で1階はやや長方形のフロアをキャビネットや観葉植物でいくつか部屋として仕切られている、中央のフリースペースは大、中さまざまな大きさのモニターがあり飲み物やソファもランダムに置かれている

 

5人はフリースペースのところで立ち止まった、Tシャツやジャージで腕章をつけている人達がザワザワと働いている

優弦はきょとんとして聞いた

「なんで皆ジャージなんだ?部活かよ」

夏向が苦笑した

「うち、あんまり国からお金でないから…でもいま侵略者問題で味方を区別する必要とかあって着てもらってるんだ」

隣で陵介もタメ息をついた

「かっこいいブルゾンくらい作れればいいけどさ、高校の同級生のつてでジャージ類だけは格安で売ってくれたんだよ」

誰かと携帯で話していた夏向が陵介に行くよと声をかける

「おお、ちょっとここで待っててくれ俺達も着替えてくる」

「かくりよ組、上にいるみたいだから連れてくるね」

2人を見送って職場を見回した、皆がジャージのせいか学祭前を思い出す。

 

防衛省は表防衛省と違い規模がとても小さく、おかしな現象全般を引き受ける、ほとんどが1度死んだ人を相手にするなど綺麗な仕事はあまりない、そのため人気がなく入ってくる人は少ない常に人手不足だ、ざっくりと担当はあるが皆何でもする、五芒星(晴明デザインでそうなった)の腕章を付けているものは有事の際に最前線に出る印だ、その腕章もほとんどの職員が付けている、動きやすい軽装をしているのはそのためでもある、1年くらい前までは腕章はなかった他世界から侵略がなければ防衛省といっても戦うことはなかった防衛部隊もない、表防衛省は0世界の人間が相手というので活動する組織である、他世界からだったために裏防衛省が受け持つことになってしまったのだ。

 

明澄が吹き抜けをなんとなく見上げながら呟いた

「なんか…今更、実感わくよ…0世界に来たんだね」

海空と優弦も上を見て頷く

「ああ…魔法がないよな」

「何も浮かんでねーのな?」

少年達は0と5の違いを探すようにあたりを観察した、ここにくる道すがら教科書で見た車や自転車、飛んでる人がいないこと部屋の中は比較的同じに思えるが携帯電話やPCが違うこと、その少しの違いが不思議な気持ちにさせた、別の時空で生きている人達がいる、些細な生活感から不思議な繋がりを感じる、それが何か解らないが心地よいのだ

ガヤガヤと遠くから声がしているのに気づき声の方に目線を送る、2階からフリースペースへ降りてくる階段に夏向達の集団を見つけた、あそこだよと案内しながら降りてきて会話をしながら少年達の前に近付いて来た

その時、少年達は同じことを思っていた

〈 はは、気持ちわりぃ…ってか、こいつが俺だってわかる 〉

かくりよ組の3人も同じだ、何故なら近付きながら自分の前に場所を入れ代わったからだ

 

 

 

 

 

日和ってる奴はだいたい友達 ⑫

日和ってる奴はだいたい友達 ⑫

 

朝、リビングにいくと夏向と陵介はもうコーヒーを飲んでいた

「「「おはよー」」」

「おはよう、こっちの世界来てから体おかしいとかない?」

「んあー」

まだ寝起きでダルそうに返事をして海空と優弦は野田がいるキッチンカウンターのほうへ向かった

明澄がしょうがないなと苦笑いする

「起きてすぐ腹が減ったって言ってたくらいだから元気だと思います」

「そう、良かった何かあれば母にすぐみてもらうからね、医者なんだ」

海空が人数分のサラダをのせたトレーをテーブルに運びながら

「そっちこそ大丈夫か?昨日遅かったんじゃないのかよ」

陵介がサラダを受けとる

「あー今日は遅くてもいいって言われたんだけどさ、好奇心に勝てなかったんだよ、な?夏向」

「うつしよ組とかくりよ組の対面は見逃せないでしょ?」

「そっか、今日会えるんだな」

そう言いながらウインナーに目を止めてキッチンに戻る

「やっぱ米も食いたい、野田さんパンとコメ両方食いたいんだけど、いい?」

野田が料理しながら(いいよーおにぎりにしよっか)と答えている

優弦も加わり具は何がいいと話が盛り上がってる

 

明澄はため息をついた

「ほんとすぐ違うとこに脳ミソ飛ぶんだから…すみません、話進まないですよね」

夏向は吹き出し

「あははっ、明澄くん、かくりよの人達もちょっと自由なとこあるから君たぶん一番常識人だね」

陵介は運ばれてくる料理を並べながら頷く

「うん、昨日の夜もかくりよ組話聞けって怒られてたな夏向のお兄さんにさ」

〈 あれ?ネットで調べたら偉いお坊さんだったと思うけど怒られるの?まぁいっか会うんだし 〉

 

優弦がホイップクリームを混ぜながら近付いてきた

「パンはクリームとフルーツ挟んで食べようぜ」

夏向がキッチンカウンターに出来上がった料理に気づいて取りに行く、パンのカゴとおにぎりの皿を持ち上げた

「美味しそうだな、野田さん今日のパンはどこの?」

「近くに行く用事があったんで ここん で買ってきました」

「あーいいね、そういえば京都はパン好きが多いって言われててパン屋さん多いんだよ5世界もそうなの?」

優弦がフルーツの盛り合わせを海空から受けとりながら

「意識したことないなー、俺はパンとかスイーツ自分で作ること多いからな、俺らに言わせれば5世界の料理は壊滅的だ」

「昨日の夜食でも思ったんだけど食全般間違いなくこっちの世界のほうが旨いぜ、言い苦しいが5世界は家メシも外メシもあんまりなんだよな、別に母さんのメシが不味いわけじゃねぇよ?でも5世界のメシはどこか魔法臭いって感じるっていうか」

 

解る!という顔で優弦と明澄が声を合わせた

「「それな!」」

明澄は凄く残念そうな表情で

「辛いのは魔法臭いってことが家族にもわかってもらえないってことだよね、そのせいか僕達料理上手くなってるし、一番覚醒したの優弦だけど」

優弦はドヤ顔だ

陵介はきょとんとして話を聞いていた

「なぁ、魔法って匂いあんのかよ?」

海空は、うーんと言いながら

「匂いっていうか…食べ物全部に少しずつ粉薬が入ってる感じかなぁ」

夏向が思い出したようにこめかみを押さえた

「あの時、陵介むこうのお菓子食べた時 あれっ?て違和感あったのそれかな入れなくていいもん入ってるって感じがする味だった」

サラダにエビをかけながら陵介も思い出していたようだ

「あー解るわ!何だろうこの余計な味って部分な、あれが全部にっつったら地味につれーなぁ」

「こっちに滞在中は俺も陵介も料理するから美味しいもんたくさん食べてね、まずは朝ごはん食べよう」

「「「「「いただきます」」」」」

 

 

 

日和ってる奴はだいたい友達 ⑪

日和ってる奴はだいたい友達 ⑪

 

温かい風呂に入りリビングダイニングにやや魂が抜けたように少年3人は座っていた、野田が温かいベルガモットティーを入れてくれた、カップを口元に近付けるとハチミツと柑橘系の香りが3人を落ち着かせた、飲みながら部屋の中を見ると現代風の部分と擬洋風建築というのだろうか何か懐かしい気持ちにさせられる部分のある部屋だった

0世界に到着したときに落ちた滝は美月家の庭にある、広い敷地にレトロな洋館が2棟ありリノベーションしながら住んでいる現代とレトロな部分があちこちに混在する館だ

 

野田が用意してくれた豚汁とおにぎりを食べていると、夏向と陵介がリビングダイニングに顔を覗かせた

「俺達は職場に報告に行ってくるから皆は先に休んでてね」

陵介はキッチンの方に足早に向かう

「野田さん、後よろしくー」

はーい、という返事とともに差し入れを陵介に渡している、もらった差し入れの紙袋を提げて少年達の横を通りすぎていく

「んじゃ、お前ら今日はゆっくり休めよ」

2人ははらはらと手を振ってここから徒歩3分の職場に向かっていった

 

旨い食べ物で3人は気が緩み眠くなってきた、それに気がついた野田が声をかける

「今日は疲れたよね、早めに休もう部屋に案内するよ」

渡り廊下を渡りもう1つの建物のレトロな階段を上って2階へ、部屋は8部屋あり、そのうちの使えるようにしてある3部屋の前に立った

「この3部屋は必要そうなもの用意しておいたけど足らないものあったら言って」

3人は立っていたところから近い部屋に向かう

「「「ありがとう野田さん、おやすみー」」」

そう言って部屋に入っていった、が、秒でドアが開いた

「「「うわーあぁあああー」」」

戻ろうとした野田の前にすごい勢いで走ってきた

「野田さん!なんかいっぱいいるっ!でっかいのいるっ!」

「うわーっ、海空、そのでっかいやつが頭にのってんぞ!刺激すんなよ?」

「え?何?どうしたいのこれ?僕達捕食されちゃうの?」

野田はさほど驚いた様子もなく

「あぁ、ずっと使っていなかった部屋だから寝床になってたのかな、危険はないから大丈夫、化保護猫だよ」

「「「化け…」」」

「そうだよ、いろんな理由で成仏できていない化保護猫でね、美月家で成仏するまで預かってるんだ、巨大になったのは君達にびっくりしちゃっただけだと思うよ」

そっか、と海空が頭にのっている猫のほっぺあたりを手を伸ばして撫でた

「びっくりさせて悪かったな、俺達も一緒に寝ていいか?ん?」

はにゃーんとないてシュルシュルと普通サイズになった

ストンと床に降りると3つの部屋の方に向かってにゃーんとまたないた

3つの扉から普通サイズになった猫が何匹か顔を出した他の猫も戻してくれたようだ

「おっ、頼んでくれたのか?ありがとな」

「なんだ、いいやつじゃん、さて寝るか」

「ねぇ?2人とももう平気な顔してるけど化猫だよ?大丈夫なの?」

「同じ布団で寝るやつに悪い奴はいねぇって」

「モフモフならなおのこと大丈夫だな」

「いや、ちょっと何言ってるかわかんない」

3人は野田にもう一度(おやすみ)といって部屋に戻った

 

 

 

 

 

日和ってる奴はだいたい友達 ⑩

日和ってる奴はだいたい友達 ⑩

 

ー 中央広場 ー

必要最低限といっても多種類になってしまった石をそれぞれリュックに少しづつ手分けして背負い出発を待った、家族と挨拶を交わし離れたところに移動してもらった、影響がわからないため魔法は切ってもらっている

 

陵介がリープブレスを渡していく

「もう位置はセットしてある、俺がスタートをタップすると10秒後にリープ始まるからな」

それぞれ腕にはめながら、さすがに少し緊張感が漂っているブレスをしたほうの腕に無意識に力が入る、全員、両親がいる方を向き手を振った離れているので微かにしか聞こえないが

「動画いっぱい撮ってきてくれ」

「お土産たくさん頼むぞ」

的なことがうっすら聞き取れたので、皆、適当に頷いた

 

お互いが見えるように円になったところで陵介が

「いいか?スタート押すぞ」

ちょっと自信なさげな返事が帰ってくる

「「「「 …お、おぉ… 」」」」

右手に違和感を感じた海空がびくっとする

「ばっ…おい優弦お前、指絡めてくんなよ! あ?夏向さんまで、もうっ!」

海空の左手を握った夏向は手を離さず謝った

「女の子じゃなくてごめん、でも本気で怖いんだよこれ、ほとんど運なんだもん」

優弦も涙目で訴える

「マジこえぇんだって、さっき陵介さんにどんな仕組みでリープできるんだ?って聞いたらさ「さっぱりわかんねぇ、なんとなくだ」って言ったんだ」

「えぐっ、怖くね?絶対なんとなくじゃダメなやつだろ!ってか今言うなよぉぉ」

もうスタートは押されている光がまとわりついてふんわりと圧縮されているような感じだ

〈〈〈〈〈 こえーっ 〉〉〉〉〉

光の圧縮が大きく強くなる苦しくはないが体の感覚がなくなってくる、ところてんの容器から細長くどこかに押し出されているような感触だけなんとなく感じる、不安な気持ちから早く終われと全員が心の中で思った

 

ー ばしゃん ー

5人は状況が飲み込めずそのまま呆然とした

そこに庭の手入れをしているエプロンを着けた青年が声をかけた

「お帰りなさい、夏向さん、陵介さん…と、ゲストの皆さんいらっしゃい」

「野田さん…」

美月家の手伝いをしている野田をまだぼんやりとしている夏向が浅い滝壺から見上げた

陵介も我にかえり

「野田さん…ってことは戻れた!みんな揃ってるか?」

海空がよろめきながらビショビショで立ち上がった

「冷たいんだが?陵介さん着地点が何で滝なんだよ」

「あはは、悪いなミスった」

優弦と明澄はリープ酔いしたのかまだぼんやりしている

「あれ?おい平気か?夏向、この2人顔色悪いな」

「え?大変だ野田さんごめんタオルお願いっ みんなお風呂へ」

持ってきてもらったタオルにくるまりながら風呂に向かった

 

 

 

日和ってる奴はだいたい友達 ⑨

日和ってる奴はだいたい友達 ⑨

 

- 夏向と陵介は再び学校に戻る -

ドアを開けるなり、丞と少年達が「待ってた」と言ったリープする時に持てる荷物の制限があるか解らなかったからだ、5世界では様々なものを作動させるエネルギーとしても記憶させたりするのにも石を使う、命令した際のスイッチでもある、石は重要なアイテムなのだ最小限にするなら種類が限られてくる

 

丞と明澄が腕組みして石を見つめる

「なるべく多くの種類少しづつ持ってく?」

「そうですね、あっ陵介さんリープブレスにストーンって使いました?」

「ああ、最後やけくそになってな、昔の資料に書いてある意味は解んなかったけど夏向のとこのサファイアアメジスト使ったら動いた」

 

夏向と陵介の家の地下には5世界の先祖の時代から守ってきた石がたくさんある、石の使い道が解らないので不思議に思っていたが、2人はなぜ守っているのか今、解った気がした先祖にとっては様々なことに使用できる大切な石だったのだ

 

「あーやっぱり、夏向さんと陵介さんが到着した広場の石像があるところはアンテナになってて大きめのリンクサファイアとリープアメジストがあるんですよ引き合ったってことかなと思ってて」

陵介は自分でリープブレスを作っておいて何の役に立つかわからなかった石で動いてることに驚いていた

明澄は気づいてなかったのかなと思いながら続けた

「2人が着けて作動してるなら、0世界の魔法が使えない人も使用できるアイテム作れそうですよ?  やっぱりこっちの石も少しづつ持っていきましょう」

 

解ったと陵介も荷造りしていると海空と優弦が準備に疲れてお菓子をつまんでいるのが視界の横に入った

「すぐだからお菓子とか持っていくなよ?安全優先だ身軽に頼むぜ?」

優弦が納得いかないという表情で指を指した

「それ、一番いらない、な?海空」

「ぜってぇいらねーだろ、構造は明澄が知ってるし」

陵介は空を飛ぶボードを持っていこうとしていた、よく見れば陵介が一番かさばりそうなものばかり手に持っている、こちらの珍しい物を持っていきたいのだ

そう言えばそうだなと笑いながらちょっと休憩とお菓子を一緒に食べ始めた、3種類ほどのお菓子を1口づつ食べて、うん?という顔になった

「1つ期待しとけ、菓子は絶対あっちのほうがうまいぜ」

「マジか!そういや食いもん楽しみだなー、何から食うよ?優弦」

「手元にガイドブックがないのが悔しいな、オススメがわかんねぇよ」

陵介はどんと胸をたたいた

「まかせとけ!ガイドブックにのってない旨い店もいっぱい知ってるぜ」

「「おお~」」

盛り上がってるとこ悪いけど、と夏向が陵介の肩をたたいた

「どうしてそんなに緊張感ないの?ワンパン入れたほうがいい?」

陵介は(ごめんごめん)と言いながらお菓子を差し出した

夏向はハァーとため息をつきながら

お菓子の袋に手をツッコミポリポリと食べた

〈 食べるんかい 〉

明澄と丞も頂戴と手をのばしながら笑った

夏向がお菓子を噛むのを(あれ?不味くはないんだけど)と言って止めた

「陵介が言った通り期待していいよ、0世界のほうが美味しいと思う」

 

食べ物が楽しみだと観光気分で盛り上がってる少年達

夏向も陵介もそれでいいと思っていた

楽しい思いだけして戻ってもらうのがベストなのだ。

 

 

 

 

 

ボケ防止脳トレ想像力小説風メモ 日和ってる奴はだいたい友達 ⑧

日和ってる奴はだいたい友達 ⑧

 

5人は決まりだなと顔を見合わせる

「父さん、聞いてたか?」

少年達が親指にはめているリングが光り光の雫が空中で縦横20センチくらいのパネルになり2人の男性の顔が映し出された

「うん、了解したよ」

返事をしたのは海空の父だ、横を見て一緒に映し出された優弦の父に返事を促した

「優弦、お前の好きにしていい」

明澄のパネルは母親が映し出されていた

「うちもよ、貴方が決めてかまわない」

夏向と陵介は少々引きぎみでその様子を見ていた、相当揉めると思っていた最難関の親の説得がこうもあっさりしたものかと

丞が驚いている2人に声をかける

「学校では親の承諾が必要と思う話は先生か生徒どちらかが通信をつなぐようになってるんですよ」

 

2人ははっとして、急いで姿勢を正し自己紹介した

夏向はパネルに近付く

「あの、よろしいのですか?もっと考えて頂いてもリープも危ないですし滞在が長くなる場合もあります、もちろん許可もらえたのは嬉しいんですけど…」

明澄の母親が複雑な気持ちを感じて、にっこりと笑った

「行くって言ったなら大丈夫ってことなんですよ、3人は幼馴染みでずっとみてますけど心配ないですよ3人一緒なら特にね」

海空の父も笑顔で頷いた

「あの子達、信じて大丈夫だよ貴方達も何か迷ったら彼らが示すほうに行くといい」

優弦の父は斜め上を見ながら頭をかいている

「ただ死にはしないってだけで途中痛い思いする場合はあるから宜しくね」

 

「「??…は、はい…」」

夏向と陵介は意味はわからないけどと顔を見合わせながら返事をした

 

その後ろで、丞と少年達は研究室のほうで何やら話している、そこを抜けて優弦が2人に駆け寄った

「ゼロ行くの状況わかんねぇし、早いほうがいいだろ?今準備するから挨拶と観光兼ねて俺らん家にリュック取りに行ってくれよ、先生と明澄が一応こっちの石も持ってけって、家こっから5分だから」

 

丞が案内プレートを出してくれた、2人はこの展開に少し着いていけていなかった落ち着かせることができるこの短い散歩はありがたかった呼吸を整えながら大通りから1本入った閑静な住宅街、優弦の家は父が院長をしているクリニック(土御門クリニック)と併設している、その隣が海空の家だ父は土御門クリニックで医師として働いている、2人の家の目の前が明澄の父が経営しているスポーツジムがあるジムの一番上のフロアが住居になっていた、夏向と陵介が到着するとクリニックの前に少年達の両親が集まってきた、海空の母はモデルをしており仕事で不在であった。

 

両親達を前に2人は承諾のお礼とともに再度説明をした

「もし彼らが5世界に帰りたいと言った場合も装置の具合によって1週間くらいはかかると思ってください、もし滞在が長引いた場合、通信可能になっても危険がないと判断できるまで丞先生にだけ繋ぐつもりですので暫く話はできません」

2人は頭を90度に下げた

 

「装置や通信は明澄くんいるからすぐじゃない?」

海空と優弦の父は頷きながら明澄の両親に笑いかけた

「そうだといいんだけど、あ、得意なのは本当だから手伝わせてやってね」

 

両親達に笑いかけられて夏向と陵介は声になるかならないかの返事をした、もちろんですと…この居心地のいい場所から連れ出さないことが本当は一番いいのに俺達自身が敵なんて怖くて仕方ないのに2人に罪悪感が襲ってくる

「あの…いつでも帰るって言いやすい雰囲気作りますから、あと滞在中は俺達全力で守りますので」

夏向はそんな言葉しか出てこない自分に少しうつ向いた

 

少年達の両親はきょとんとして顔を見合わせた、海空の父が大丈夫と言って言葉を続けた

「うん、ありがとうね、3人のこと宜しくね」

 

 

★★★ボケ防止になるかわかんないけど

セロトニンは増加してる気がする、現実ばかりだと思考がマジ止まる動かしたい

自分でストーリー勝手に考えるのって酷いことが起こらないから安心、楽しいしな

楽しいからメモってるんだけども

特にね、CVを内山昂輝さん梶裕貴さん斉藤壮馬さん松岡禎丞さん内田雄馬さん

小野賢章さん宮野真守さん仲村宗悟さん村瀬歩さん沢城みゆきさん早見沙織さん

で想像とかするとゾーンにでも入ったんじゃね?くらい2次元に入れる

声ってすごいな!尊敬するわ 目の前いるみたいにキャラと話せるし

うわ、引くなこれやばい奴だ私 まぁええか迷惑かけんで楽しんでる分には

どうせ前から痛い奴なのだから今更やなw